国鉄高砂線廃線跡レポ(4) 尾上～高砂北口間

今回の区間は尾上～高砂北口間。

国鉄高砂線は加古川駅から高砂港駅までの8kmを結んでいた。この高砂線は加古川線を敷設した播州鉄道が加古川線同様に加古川の舟運を代替する為加古川から物資の集散地である高砂までの路線を1913年に開通させたものである。この時は加古川橋梁の東端辺りに高砂口駅を置きそこを終点とした。

翌年には高砂港(当時は高砂浦)まで全通。高砂口駅はこの時廃駅となった。

1923年には播丹鉄道に譲渡され、1943年には加古川線同様に戦時買収により国有化された。その後には高砂駅近くに国鉄高砂工場が完成。客車、貨車の車両整備から改造を行う工場として出入庫する列車もあった。

この間もずっと高砂線は加古川線や鍛冶屋線といった支線同様に貨物中心で営業されていた。

しかし鉄道貨物輸送の衰退が高砂線を直撃する。元々旅客輸送にあまり力を入れていなかったこともあり、1981年に第一次特定地方交通線として認定。高砂工場も貨車、客車の需要減少で須磨区の鷹取工場に統合されることとなった。

なおこの路線に関しては沿線人口が第一次特定地方交通線としては多かったため第三セクターへの転換も検討された。しかし加古川橋梁の老朽化が激しかったこともあり、転換計画は頓挫。1984年2月1日に先行して貨物営業と高砂～高砂港間が廃止。残った区間も1984年12月1日をもって廃止された。

では現役当時(1980年)の航空写真をご覧いただこう。出典は国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスである。

こちらは加古川市側。尾上からは山電と並走している為比較的分かりやすい。

高砂市側はご覧の通り。次の区間にはなるが山電の高砂駅と国鉄高砂駅は離れていたことが分かる。

加古川市側は2018年2月25日に、高砂市側は翌日の2月26日に取材している。

尾上駅から高砂方面を望む。廃線跡は道路となっている。

しばらく道路を進むと踏切の近くによくある柵が残されていた。場所的におそらく高砂線の踏切の遺構ではないかと思われる。道路は完全に舗装されており跡形も無いので判別できないが…

この辺りまで来ると山電と完全に並走する。右側の並木の向こうは山電の線路。

さらに進むと道路から畑に転用のされ方が変わる。この辺りから神戸製鋼所への専用線の未成線が道路として分かれているようであるがこの時は未取材(今後も取材予定なし)

少し進むと廃線跡は加古川を渡る為に築堤となるが山電の隣に未舗装の道となってきた。加古川側を望む。

振り返るとこの通り。手前に残る橋梁には枕木も残されている。

橋梁を横から見るとこの通り。レールの代わりに鉄板が乗っている。

さらに進むともっと大きな橋梁が残されている。こちらも枕木が現存している。

水路と道路を跨ぐそれなりに規模の大きい橋梁であったことが分かる。加古川方面を望む。

先程の橋を渡ると加古川の土手が近くなってくる。山電もこの通り。山電とJRの併走といえば須磨～明石間が有名だがここでもかつて繰り広げられていた…のかもしれない。

ということで加古川橋梁跡に到着。残念ながら加古川市側には何も残っていない。

日付が変わり自治体も変わって高砂市に入る。高砂北口駅は山電高砂駅のすぐ近くにあった。その近くから加古川方面を望む。

この先には遺構は無いだろうと入らなかったが実はこの先には橋梁が残っていた。写真には撮れていないが山電の車窓から眺められるのでぜひどうぞ。

この駐輪場が高砂線の廃線跡であり、同時に高砂北口駅。山電高砂駅の目の前という事もあり駐輪場は満杯状態だった。カーブを抜けていよいよ高砂市街地に入る。

次回で完結の予定。

他の区間はここからどうぞ。

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