廃駅レポ(10)近鉄小房駅跡
地味に1年半ぶりとなる廃駅シリーズ。今回は近鉄小房駅。
小房駅は近鉄小房線に存在した唯一の中間駅である。この小房線は元々は近鉄吉野線の前身である吉野鉄道の本線であった。当初吉野鉄道が目指したのは桜井線の畝傍駅だった。その後近鉄の前身である大阪電気軌道への合併や橿原神宮の皇紀2600年を記念した拡張などで紆余曲折があり現在の形となった。この時橿原神宮前~畝傍間の狭軌の旧線の扱いが問題となり橿原神宮駅(現在の橿原神宮前)~畝傍間を小房線という独立線区とすることとなった。1939年のことである。
この小房線は旅客輸送が現在の大阪線や南大阪線ルートがメインだったことから貨物輸送がメインだったようであり1945年5月末で旅客輸送が休止。5年後の1950年には貨物輸送も廃止され1952年9月1日小房駅共々正式に廃止された。
なお取材は2018年2月28日に行っている。
小房駅の少し北側から畝傍方面を望む。跡形は全くない。
この辺りに小房駅があったという。後ろに見えるのは橿原市中央体育館。
畝傍方面を望む。
小房駅唯一の遺構はこの水路を跨ぐ橋台跡。現在より高い位置に(おそらく築堤?)路盤はあったようだ。